Midjourneyは、テキストから画像を生成できるAIツールとして注目を集めています。
簡単な文章の入力だけで、驚くほど美しいイラストや写真のような画像を作成できるのが魅力です。でも、始め方や料金体系、日本語での使い方など、わからないことも多いですよね。
この記事では、Midjourneyの基本的な使い方から、画像生成のコツ、料金プラン、無料版の有無まで詳しく解説します。AIイラストを自分で作ってみたい方、Midjourneyを効率よく使いこなしたい方に役立つ情報をお届けします。
Midjourneyとは何か
Midjourneyは2022年に公開された画像生成AIで、テキストプロンプト（指示文）から高品質な画像を生成できるサービスです。特徴的なのは、Discord（ディスコード）というチャットアプリ上で動作する点です。シンプルなテキスト入力から、芸術的で美しい画像を作り出せることで人気を集めています。
画像生成AIの特徴
Midjourneyの最大の特徴は、その美しい画像生成能力です。特に風景や人物の描写において、芸術的な表現力を持っています。写真のようなリアルな画像から、絵画風のファンタジックな作品まで、幅広いスタイルの画像を生成できます。
また、バージョンアップを重ねるごとに進化しており、最新バージョンでは人物の手や顔の表現が格段に向上しています。以前のバージョンでは指の本数が合わないなどの問題がありましたが、現在はかなり改善されています。
他のAIツールとの違い
Midjourneyと他の画像生成AIを比較すると、それぞれ特徴が異なります。
| AIツール名 | 特徴 | 使用環境 |
|---|---|---|
| Midjourney | 芸術的で美しい画像生成に強い | Discord上で動作 |
| DALL-E | 指示の忠実度が高い | OpenAIのウェブサイト |
| Stable Diffusion | カスタマイズ性が高く無料で使える | ローカル環境やウェブアプリ |
Midjourneyは特に美的センスの高い画像を生成する点で評価されています。一方、DALL-Eは指示通りの画像を作る正確さに優れ、Stable Diffusionはオープンソースで自由度が高いという特徴があります。
Midjourneyの始め方
Midjourneyを使い始めるには、まずDiscordのアカウントが必要です。Discordとは、主にゲーマー向けに開発されたコミュニケーションツールですが、今ではさまざまな用途で使われています。
Discordアカウントの作成方法
- Discordの公式サイト（discord.com）にアクセスします
- 「登録」ボタンをクリックし、メールアドレス、ユーザー名、パスワードを入力します
- 年齢確認を行い、利用規約に同意します
- メールアドレス宛に送られる確認メールのリンクをクリックして、アカウントを有効化します
Discordはスマートフォンアプリでも利用できますが、Midjourneyを使う場合はパソコンの方が操作しやすいでしょう。
Midjourneyコミュニティへの参加手順
Discordアカウントを作成したら、次はMidjourneyのサーバーに参加します。
- Midjourneyの公式サイト（midjourney.com）にアクセスします
- 「Join the Beta」ボタンをクリックします
- Discordにリダイレクトされるので、「サーバーに参加」をクリックします
- Midjourneyのサーバーに入ったら、左側のチャンネル一覧から「newbies」や「newcomer」などの初心者向けチャンネルを探します
サーバーに参加したら、すぐに画像生成を始められるわけではありません。有料プランに登録する必要があります。Midjourneyのウェブサイトから「Subscribe」を選び、プランを選択して支払いを完了させましょう。
基本的な操作画面の見方
Midjourneyの操作はすべてDiscord上で行います。基本的な使い方は以下の通りです。
チャットボックスに「/imagine」と入力すると、プロンプト入力欄が表示されます。ここに生成したい画像の説明を英語で入力します。例えば「/imagine a cat sitting on a moon」と入力すると、月の上に座る猫の画像が生成されます。
生成された画像は4つのバリエーションで表示され、その下には「U1」「U2」「U3」「U4」（アップスケール）と「V1」「V2」「V3」「V4」（バリエーション）のボタンが表示されます。Uボタンを押すと選んだ画像が高解像度になり、Vボタンを押すと選んだ画像の別バージョンが4つ生成されます。
Midjourneyの料金プラン
Midjourneyは完全な有料サービスです。以前は無料トライアル期間がありましたが、現在は廃止されています。料金プランは定期的に変更されることがあるため、最新情報は公式サイトで確認することをお勧めします。
各プランの比較表
現在のMidjourneyの主な料金プランは以下の通りです。
| プラン名 | 月額料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| Basic | $10 | 月に約200枚の画像生成が可能 |
| Standard | $30 | 月に約900枚の画像生成が可能 |
| Pro | $60 | 月に約4,800枚の画像生成が可能 |
| Mega | $120 | 月に約9,600枚の画像生成が可能 |
各プランで生成できる画像の品質に違いはありません。違いは主に生成できる画像の枚数と、同時に処理できるジョブの数です。
月額・年額料金の違い
Midjourneyでは月額プランが基本ですが、年間契約することで割引が適用されることもあります。公式サイトでは定期的にプロモーションを行っているので、長期的に使う予定がある場合は年間プランを検討すると良いでしょう。
支払い方法はクレジットカードまたはPayPalに対応しています。日本のクレジットカードでも問題なく支払いができます。
商用利用の条件
Midjourneyで生成した画像は、基本的に商用利用が可能です。ただし、プランによって条件が異なります。
Basic、Standardプランでは、年間売上高100万ドル未満の企業や個人が商用利用できます。Pro、Megaプランでは、年間売上高制限なしで商用利用が可能です。
生成した画像の著作権はユーザーに帰属しますが、Midjourneyは生成された画像をトレーニングデータとして使用する権利を持っています。また、公開設定をプライベートモードにすると、自分の生成した画像が他のユーザーに表示されなくなりますが、これはProプラン以上でのみ利用可能な機能です。
無料版はあるの？
「Midjourneyを無料で使えないの？」という質問をよく見かけます。結論から言うと、現在Midjourneyには完全な無料版はありません。
現在の無料トライアル状況
以前はMidjourneyに無料トライアル期間がありましたが、2023年に廃止されました。これは、サービスの人気が高まり、サーバー負荷が増大したためと言われています。現在は、どのプランを選んでも最初から料金が発生します。
ただし、Midjourneyは時々キャンペーンを行っており、短期間の無料トライアルが復活することもあります。公式のTwitter（X）アカウントやDiscordサーバーでアナウンスされるので、チェックしておくと良いでしょう。
過去の無料キャンペーン情報
Midjourneyは過去に、新バージョンのリリース時や特別なイベント時に無料トライアルを実施したことがあります。例えば、バージョン5のリリース時には短期間の無料トライアルが行われました。
また、教育機関向けの特別プログラムもあり、学生や教育者は割引価格でMidjourneyを利用できる場合があります。詳細は公式サイトのサポートページで確認できます。
無料で使える代替ツール
Midjourneyが有料であることに抵抗がある場合は、無料で使える代替ツールも検討してみましょう。
Stable Diffusionは、オープンソースの画像生成AIで、自分のパソコンにインストールして無料で使用できます。ただし、高性能なGPUが必要になる場合があります。
また、「Stable Diffusion Web UI」や「ComfyUI」などのインターフェースを使うと、より簡単に操作できます。クラウドサービスでは「Leonardo.ai」や「Playground AI」などが一定の無料枠を提供しています。
基本的な画像生成の方法
Midjourneyでの画像生成は、基本的にはテキストプロンプトを入力するだけです。しかし、より良い結果を得るためにはいくつかのコツがあります。
プロンプトの入力方法
Midjourneyでプロンプトを入力するには、Discordのチャットボックスに「/imagine」と入力し、続けて生成したい画像の説明を英語で入力します。
/imagine a beautiful sunset over a calm ocean with palm trees in the foregroundこのようなプロンプトを入力すると、Midjourneyのボットが画像を生成し始めます。生成には30秒から1分程度かかります。
プロンプトは具体的であればあるほど、イメージに近い画像が生成されやすくなります。色や構図、光の当たり方なども指定すると良いでしょう。
/imagine a beautiful sunset over a calm ocean with palm trees in the foreground, golden hour, vibrant colors, cinematic lighting, 4k生成された画像の保存方法
Midjourneyで生成された画像は、Discordチャット上に表示されます。画像を保存するには、画像を右クリックして「名前を付けて画像を保存」を選択します。
また、Midjourneyの公式ウェブサイトにログインすると、自分が過去に生成したすべての画像を閲覧・ダウンロードできます。ここでは画像の整理や検索も簡単にできるので便利です。
生成された画像は基本的に公開されますが、Proプラン以上ではプライベートモードを使用して、自分だけが見られる設定にすることも可能です。
アップスケール機能の使い方
Midjourneyで生成された画像は、最初は比較的小さいサイズで表示されます。より高解像度の画像が必要な場合は、アップスケール機能を使います。
生成された4つの画像の下に表示される「U1」「U2」「U3」「U4」ボタンをクリックすると、選択した画像が高解像度になります。アップスケールされた画像は、さらに「Vary (Subtle)」「Vary (Strong)」などのボタンで微調整することもできます。
最新バージョンでは「/imagine」コマンドに「–uplight」や「–upbeta」などのパラメータを追加することで、さらに高品質なアップスケールが可能になっています。
日本語でMidjourneyを使うには
Midjourneyは基本的に英語での利用を前提としていますが、日本語でも使う方法はあります。
翻訳ツールを活用する方法
最も簡単な方法は、翻訳ツールを使って日本語のプロンプトを英語に変換することです。Google翻訳やDeepLなどの翻訳サービスを使うと、日本語のアイデアを英語に変換できます。
例えば「桜の木の下で和服を着た女性」というプロンプトを英語に翻訳すると「A woman wearing a kimono under a cherry blossom tree」となります。これをMidjourneyに入力すれば、イメージに近い画像が生成されるでしょう。
ただし、翻訳ツールでは微妙なニュアンスが伝わらないこともあります。特に日本特有の概念や文化的な要素を表現したい場合は、英語と日本語を組み合わせるのも一つの方法です。
日本語プロンプトの注意点
Midjourneyに直接日本語のプロンプトを入力することも可能ですが、英語に比べると認識精度が落ちる傾向があります。特に漢字やひらがなの組み合わせによっては、AIが適切に理解できないことがあります。
日本語プロンプトを使う場合は、カタカナよりもひらがなの方が認識されやすい傾向があります。また、日本語と英語を混ぜたプロンプトも効果的です。例えば「富士山 with snow, beautiful sunrise, traditional Japanese painting style」のように組み合わせると良いでしょう。
にじジャーニーでの日本語対応
日本のイラストレーターやアニメファンの間で人気なのが「にじジャーニー」（Niji Journey）です。これはMidjourneyが提供する日本のアニメやイラスト風の画像を生成するための特化モデルです。
にじジャーニーを使うには、プロンプトに「–niji 5」というパラメータを追加します。
/imagine a cute girl with blue hair and school uniform --niji 5にじジャーニーでは日本語プロンプトの認識精度も比較的高く、アニメ風のイラストを生成したい場合におすすめです。ただし、通常のMidjourneyモデルに比べると生成できる画像のバリエーションは限られています。
プロンプト作成のコツ
Midjourneyで理想の画像を生成するには、プロンプトの書き方が重要です。ここでは、効果的なプロンプト作成のコツをいくつか紹介します。
具体的な数値を入れる
Midjourneyでは、具体的な数値を指定することで画像の特徴をコントロールできます。例えば、以下のようなパラメータが使えます。
/imagine a portrait of a young woman --ar 2:3 --stylize 750 --chaos 30この例では、「–ar 2:3」でアスペクト比（縦横比）を指定し、「–stylize 750」でスタイライズの度合いを、「–chaos 30」でランダム性の度合いを設定しています。
数値を変えることで、同じプロンプトでも全く異なる雰囲気の画像を生成できます。自分好みの設定値を見つけるために、いろいろな値を試してみると良いでしょう。
構図の指定方法
画像の構図を指定することで、より意図した画像を生成できます。例えば以下のような表現が使えます。
/imagine a samurai warrior, close-up shot, dramatic lighting, low angle view「close-up shot（クローズアップショット）」「low angle view（ローアングル）」などの撮影技法の用語を使うことで、構図を指定できます。その他にも「bird’s eye view（鳥瞰図）」「wide angle（広角）」「portrait（ポートレート）」など、様々な表現があります。
また、「rule of thirds（三分割構図）」「golden ratio（黄金比）」などの構図理論を指定することもできます。
動きやアクションを表現する
静止画でも動きのある表現をしたい場合は、動詞や動作を表す言葉を使うと効果的です。
/imagine a ninja jumping from rooftop to rooftop, mid-air pose, dynamic action, motion blur「jumping（ジャンプしている）」「mid-air（空中の）」「dynamic action（ダイナミックなアクション）」「motion blur（モーションブラー）」などの表現を使うことで、静止画でも動きのある印象を与えられます。
また、「frozen in time（時間が止まったような）」「capturing the moment（瞬間を捉えた）」などの表現も効果的です。
画像生成の実践テクニック
より高度な画像生成のためのテクニックを紹介します。これらを活用することで、Midjourneyをさらに使いこなせるようになるでしょう。
同じキャラクターを複数ポーズで作る
同じキャラクターを異なるポーズや状況で生成したい場合は、「seed」パラメータを使うと便利です。seedは画像生成の基となる乱数で、同じseedを使うと似た特徴の画像が生成されます。
/imagine a female warrior with red hair and armor --seed 1234生成された画像のseed値は画像の下に表示されます。このseed値を次のプロンプトでも使用することで、同じ特徴を持つキャラクターを別のポーズや状況で生成できます。
/imagine a female warrior with red hair and armor, sitting by campfire --seed 1234この方法を使えば、一貫性のあるキャラクターイラストを複数作成できます。
背景や雰囲気の設定方法
画像の背景や全体的な雰囲気を設定するには、照明条件や時間帯、天候などを指定すると効果的です。
/imagine a medieval castle, foggy morning, mist rising from the moat, golden sunrise, atmospheric「foggy morning（霧の朝）」「golden sunrise（黄金色の日の出）」「atmospheric（雰囲気のある）」などの表現を使うことで、特定の雰囲気を持つ画像を生成できます。
また、「cinematic（映画的な）」「dramatic lighting（ドラマチックな照明）」「moody（ムーディーな）」などの表現も雰囲気作りに役立ちます。
画像のバリエーション作成
一度生成した画像のバリエーションを作るには、生成された画像の下にある「V1」「V2」「V3」「V4」ボタンを使います。これにより、選択した画像に似た別バージョンの画像が4つ生成されます。
また、アップスケールした画像の下に表示される「Vary (Subtle)」と「Vary (Strong)」ボタンを使うと、微妙な変化または大きな変化を加えたバリエーションを作成できます。
さらに、「–stylize」パラメータの値を変えることで、同じプロンプトでも異なる雰囲気の画像を生成できます。値が小さいほど（例：–stylize 100）プロンプトに忠実な画像になり、値が大きいほど（例：–stylize 1000）Midjourneyの芸術的解釈が強くなります。
生成した画像の活用法
Midjourneyで生成した画像は、様々な用途に活用できます。ここでは、代表的な活用方法を紹介します。
SNSでの使用方法
Midjourneyで生成した画像は、InstagramやTwitter（X）などのSNSに投稿できます。特に個人的な使用であれば、基本的に問題ありません。
投稿する際は、「Created with Midjourney」などとクレジットを入れると良いでしょう。また、Midjourneyのコミュニティでは、使用したプロンプトを共有する文化があります。SNSに投稿する際も、可能であればプロンプトを添えると、他のユーザーの参考になります。
ただし、他人の著作物や商標を含むプロンプトで生成した画像は、権利侵害になる可能性があるので注意が必要です。
Webデザインへの応用
Midjourneyで生成した画像は、ウェブサイトのヘッダー画像やブログのアイキャッチ、バナー広告などに活用できます。特に、オリジナルの写真やイラストを用意するのが難しい個人ブロガーやスモールビジネスにとって、Midjourneyは強力なツールになります。
ウェブデザイン用の画像を生成する際は、テキストスペースを考慮した構図にするとよいでしょう。例えば「website header with copy space on the left（左側にテキストスペースのあるウェブサイトヘッダー）」のようにプロンプトを設定できます。
商用利用の注意点
Midjourneyで生成した画像は商用利用が可能ですが、いくつか注意点があります。
まず、前述の通り、プランによって商用利用の条件が異なります。Basic、Standardプランでは年間売上高100万ドル未満の企業や個人のみが商用利用できます。
また、Midjourneyの利用規約では、ヘイトスピーチ、暴力的なコンテンツ、成人向けコンテンツの生成を禁止しています。これらの目的で生成した画像は、商用・非商用問わず利用できません。
さらに、他者の知的財産権を侵害するような使い方も避けるべきです。例えば、有名キャラクターや商標を含むプロンプトで生成した画像を商用利用すると、権利侵害になる可能性があります。
まとめ：Midjourneyを楽しむために
Midjourneyは、テキストから美しい画像を生成できる強力なAIツールです。基本的な使い方は簡単ですが、プロンプトの工夫や各種パラメータの調整によって、より自分のイメージに近い画像を生成できます。現在は無料版がないため有料プランの契約が必要ですが、その分高品質な画像生成が可能です。日本語での利用も工夫次第で十分実用的です。プロンプトの書き方を練習し、パラメータを調整しながら、自分だけの素晴らしい画像を作り出してみてください。
