ラフ画からAIツールでイラストを作成する簡単テクニックを解説!

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ラフ画からAIを使ってイラストを作る方法を知りたいと思ったことはありませんか?最近のAIツールは驚くほど進化して、簡単な線画からでも美しいイラストを生み出せるようになりました。でも、どのツールを使えばいいのか、どんな手順で作業すればいいのか、迷ってしまうことも多いでしょう。

この記事では、手描きのラフ画をAIツールで美しいイラストに変換するための基本から応用テクニックまでを詳しく解説します。初心者の方でも実践できる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

ラフ画からAIイラスト作成の基本

ラフ画とは何か

ラフ画とは、完成イラストの下書きとなる簡易的な線画のことです。細部まで描き込まず、キャラクターや構図の大まかな形を示したものです。AIイラスト生成では、このラフ画を基に、AIが細部や色彩を補完してくれます。

デジタルで描いたものでも、紙に描いてスキャンしたものでも構いません。大切なのは、AIに伝えたい要素がしっかりと描かれていることです。

AIイラスト作成の流れ

ラフ画からAIイラストを作成する基本的な流れは以下のとおりです。

  1. ラフ画を用意する
  2. AIツールに画像をアップロードする
  3. プロンプト(指示文)を入力する
  4. 生成設定を調整する
  5. イラストを生成する
  6. 必要に応じて修正・再生成する

この流れを理解しておくと、作業がスムーズに進みます。

必要な準備物

AIイラスト作成に必要なものは意外とシンプルです。

  • ラフ画(デジタルデータ)
  • AIイラスト生成ツール
  • インターネット環境
  • (場合によって)グラフィックタブレット

デジタルで描く場合は、ClipStudioやPhotoshopなどのソフトがあると便利ですが、紙に描いたものをスマホで撮影するだけでも始められます。

おすすめのAIイラスト作成ツール

Stable Diffusion(ローカル環境)

Stable Diffusionは無料で使えるオープンソースのAIイラスト生成ツールです。自分のPCにインストールして使うため、プライバシーが守られる点が魅力です。

ラフ画からイラストを生成する「img2img」機能が充実しており、細かい設定が可能です。ただし、導入にはある程度のPC知識と高性能なグラフィックボードが必要です。

初心者向けのGUIとして「Automatic1111」という環境が人気で、日本語対応のモデルも豊富に公開されています。

NovelAI(日本語対応)

NovelAIは月額10ドル(約1,500円)から利用できるAIイラスト生成サービスです。日本語のプロンプトに強く、アニメ調のイラストが得意なのが特徴です。

ラフ画からのイラスト生成機能(img2img)も搭載しており、直感的な操作で美しいイラストを作れます。日本語サポートも充実しているため、英語が苦手な方にもおすすめです。

Midjourney(高品質)

Midjourney(ミッドジャーニー)はDiscordを通じて利用するAIイラスト生成サービスです。特に芸術性の高いイラストが得意で、プロのイラストレーターが描いたような作品が生成できます。

最新バージョンではラフ画からのイラスト生成機能も強化され、描いた線をしっかり反映してくれるようになりました。月額10ドル(約1,500円)から利用可能です。

DALL-E 3(OpenAI)

OpenAIが提供するDALL-E 3は、ChatGPTと連携して使えるAIイラスト生成ツールです。テキスト指示だけでなく、ラフ画をアップロードして、それを基にしたイラスト生成も可能になりました。

特に自然な構図や人物表現が得意で、ChatGPT Plusの契約(月額20ドル、約3,000円)で利用できます。

ラフ画の描き方のコツ

シンプルな線画を心がける

AIツールに読み取らせるラフ画は、シンプルな線画が基本です。細かい線や影などは省略し、主要な輪郭線だけをはっきりと描きましょう。

あまりに複雑な線画だと、AIが混乱して思わぬ結果になることがあります。特に初めのうちは「必要最小限の線」を意識すると良いでしょう。

重要な部分を強調する

キャラクターの表情や、特に重視したい部分は少し太めの線で描くと、AIがその部分を優先して処理してくれます。

例えば、顔のパーツや特徴的な髪型、アクセサリーなどは少し強調して描くと、生成結果に反映されやすくなります。

色分けの工夫

白黒のラフ画でも十分ですが、色を付けることでAIへの指示をより明確にできます。

例えば、髪の色や服の色を簡単に塗っておくと、AIがその色調を参考にしてくれます。ただし、あまり細かく塗り込む必要はなく、大まかな色分けで十分です。

AIツールでラフ画を取り込む方法

画像のアップロード方法

各AIツールによって画像のアップロード方法は異なりますが、基本的にはドラッグ&ドロップか、ファイル選択ボタンからアップロードします。

Stable Diffusionの場合は「img2img」タブを選択し、画像をドロップするエリアにラフ画をドラッグします。NovelAIやDALL-E 3も同様に専用のアップロードエリアがあります。

Midjourneyの場合は、Discordのチャットに「/imagine」コマンドを入力し、オプションから画像をアップロードします。

解像度と画質の調整

ラフ画の解像度は、最終的に生成したいイラストのサイズに合わせるのが理想的です。一般的には512×512ピクセルや1024×1024ピクセルが扱いやすいサイズです。

画質については、あまり圧縮されていない状態が望ましいですが、多少画質が荒くても問題なく処理できることが多いです。スマホで撮影した場合は、明るい場所でなるべく影が入らないように撮影しましょう。

ファイル形式の選び方

AIツールが対応しているファイル形式は主にJPG、PNG、WebPなどです。特に透過背景を活かしたい場合はPNG形式がおすすめです。

ファイルサイズが大きすぎると処理に時間がかかるため、5MB以下に収めるのが理想的です。

効果的なプロンプトの書き方

基本的なプロンプト構成

プロンプトとは、AIに対する指示文のことです。ラフ画と組み合わせることで、より細かい指示が可能になります。

基本的なプロンプト構成は以下のようになります。

キャラクター:若い女性, 髪型:ロングヘア, 服装:カジュアル, 表情:笑顔, スタイル:アニメ調

カンマで区切って項目を並べると、AIが理解しやすくなります。

画風を指定するテクニック

画風を指定することで、生成されるイラストの雰囲気を大きく変えることができます。

スタイル:水彩画風, 明るい色調, ジブリ風, 細部まで丁寧

有名なアーティスト名を入れることもできますが、著作権の観点から「〜風」と表現するのがマナーです。

NGワード(ネガティブプロンプト)の活用

AIが苦手とする部分や、避けたい表現を指定するのがネガティブプロンプトです。

低品質, 粗い, 不自然な手, 歪んだ顔, ぼやけた背景

特に手や顔の崩れを防ぐために、ネガティブプロンプトは効果的です。

ラフ画からイラストへの変換テクニック

img2imgの使い方

img2img(Image to Image)は、入力画像を基に新しい画像を生成する機能です。Stable DiffusionやNovelAIなど多くのAIツールに搭載されています。

使い方は簡単で、ラフ画をアップロードし、プロンプトを入力して生成ボタンを押すだけです。ただし、いくつかの重要な設定があります。

強度(Denoising Strength)の調整

Denoising Strength(ノイズ除去強度)は、元のラフ画をどれだけ尊重するかを決める重要な設定です。

値が低い(0.2〜0.4):ラフ画の構図や線をほぼ維持します。
値が中程度(0.5〜0.7):ラフ画を参考にしつつ、AIがある程度自由に描きます。
値が高い(0.8〜1.0):ラフ画はほぼ参考程度になり、AIが大幅に再構築します。

初めは0.5程度から始めて、結果を見ながら調整するのがおすすめです。

シードの固定と変更

シードとは、AI生成の乱数の種となる値です。同じシードを使うと、似たような結果が得られます。

気に入った結果が出たら、そのシードを記録しておくと、後で似たイラストを生成する際に役立ちます。逆に、全く異なる結果を求める場合はシードをランダムにします。

仕上げと編集のポイント

生成後の画像修正

AIが生成したイラストは、そのまま使うこともできますが、細部を修正するとより完成度が高まります。

PhotoshopやClip Studioなどのソフトを使って、気になる部分を修正しましょう。特に手や顔のディテールは、AIが苦手とする部分なので、必要に応じて手直しすると良いでしょう。

複数パターンの比較

一度の生成で満足せず、複数のバリエーションを生成して比較することをおすすめします。プロンプトや設定を少しずつ変えながら、理想に近いイラストを探しましょう。

多くのAIツールでは、一度に複数のバリエーションを生成する機能があります。Stable Diffusionなら「Batch Count」や「Batch Size」を増やすことで、一度に複数の画像を生成できます。

細部の調整方法

細部を調整したい場合は、インペインティング(部分的な再生成)機能を使うと効率的です。

例えば、手の部分だけがおかしい場合、その部分だけを選択して再生成することができます。Stable Diffusionの「inpaint」機能やNovelAIの「マスク機能」などを活用しましょう。

よくある問題と解決法

手や顔が崩れる場合の対処法

AIイラスト生成でよくある問題が、手や顔の崩れです。これを解決するには以下の方法が効果的です。

  1. ネガティブプロンプトに「歪んだ手、不自然な指、変な顔」などを追加する
  2. 手や顔の部分をラフ画でしっかり描き込む
  3. 生成後、問題のある部分だけを選択して再生成する
  4. 手や顔に特化したモデルやLoRA(追加学習データ)を使用する

特に手については、指の本数を明確にラフ画で描いておくと、AIが誤解する可能性が減ります。

思ったイメージと違う場合の修正

生成結果が思ったイメージと違う場合は、プロンプトの見直しが必要です。

具体的には、重要なキーワードを前に配置する、形容詞を増やす、参考にしたい画風や作品名を追加するなどの工夫が効果的です。また、Denoising Strengthの値を下げると、よりラフ画に忠実な結果が得られます。

解像度が低い場合の対応

生成されたイラストの解像度が低い場合は、以下の方法で対応できます。

  1. 生成時の解像度設定を上げる(512×512から1024×1024など)
  2. アップスケーリング機能を使用する
  3. 「Hires.fix」などの高解像度修正オプションを使う

ただし、解像度を上げるとGPUメモリの消費が増えるため、使用しているPCのスペックに注意が必要です。

実践例:ラフ画からイラスト完成までの流れ

人物イラストの作成例

人物イラストを作る場合の実践例を見てみましょう。

まず、シンプルな線画で人物の全身ポーズを描きます。顔のパーツや髪型、服装の特徴がわかる程度の線画で十分です。

次に、このラフ画をStable Diffusionなどのツールにアップロードし、以下のようなプロンプトを入力します。

若い女性, ロングヘア, 青いワンピース, 微笑み, 公園の背景, 晴れた日, アニメ風, 高品質, 細部まで丁寧

Denoising Strengthを0.6程度に設定し、生成ボタンを押します。結果に満足できなければ、プロンプトを調整したり、シードを変えたりして再生成します。

風景イラストの作成例

風景イラストの場合は、構図と主要な要素を示すラフ画を用意します。

例えば、山と湖のある風景なら、山の稜線と湖の形、手前の木々などを簡単に描きます。色を付ける場合は、空は青、山は緑、湖は水色など、大まかな色分けで構いません。

プロンプトは以下のような感じになります。

山の風景, 透明な湖, 青空, 緑豊かな森, 朝日, 霧, 水彩画風, 幻想的, 高解像度

風景の場合は、Denoising Strengthを0.7〜0.8と少し高めに設定すると、AIがより自由に美しい風景を描いてくれます。

キャラクターデザインの作成例

オリジナルキャラクターをデザインする場合は、特徴的な部分をしっかりとラフ画に描き込みましょう。

例えば、特殊な髪型や服装、持ち物などは明確に描いておくと、AIがそれを尊重してくれます。表情や姿勢も重要なポイントです。

プロンプトの例:

ファンタジーキャラクター, 魔法使い, 紫の長い髪, 星空の柄のローブ, 魔法の杖, 神秘的な雰囲気, キャラクターデザイン, 全身図, アニメ風

キャラクターデザインの場合は、Denoising Strengthを0.5程度に設定して、ラフ画の特徴を残しつつAIに補完してもらうのがおすすめです。

AIイラスト作成の注意点

著作権について

AIで生成したイラストの著作権については、国や使用するAIツールによって扱いが異なります。

一般的には、個人で楽しむ範囲であれば問題ありませんが、商用利用する場合は各AIツールの利用規約を確認することが重要です。また、著名なキャラクターや作品に似せたイラストを生成することは、著作権侵害となる可能性があるため注意が必要です。

商用利用の際の注意

AIイラストを商用利用する場合の注意点をまとめました。

AIツール商用利用条件・制限
Stable Diffusion可能モデルによって異なる
NovelAI可能月額プランによる制限あり
Midjourney可能有料プランが必要
DALL-E 3可能OpenAIの利用規約に従う

商用利用する場合は、必ず最新の利用規約を確認し、必要に応じて権利者に許可を得ることをおすすめします。

AIイラストの限界と可能性

AIイラスト生成技術は日々進化していますが、まだ限界もあります。

例えば、複雑な構図や特殊な視点、多人数の描写などは苦手とする傾向があります。また、文化的・歴史的な正確さを求める場合は、生成結果を鵜呑みにせず、専門知識で確認することが必要です。

一方で、AIイラストは個人クリエイターの可能性を大きく広げています。ラフ画からの展開や、アイデアの可視化、作業時間の短縮など、創作活動をサポートする強力なツールとして活用できます。

まとめ

ラフ画からAIツールでイラストを作成する方法について解説しました。基本的な流れを理解し、適切なツールを選び、効果的なプロンプトを書くことで、誰でも美しいイラストを生み出せる時代になりました。

最初は試行錯誤が必要ですが、少しずつ経験を積むことで、自分の理想に近いイラストを生成できるようになります。ぜひ、この記事を参考に、AIイラスト作成の世界を楽しんでみてください。

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