Adobe Fireflyの生成AI機能を使いこなすには、生成クレジットの仕組みを理解することが欠かせません。毎月いくつクレジットが付与されるのか、いつリセットされるのか、足りなくなったらどうすればいいのか。こうした疑問を解決できれば、Fireflyの可能性を最大限に引き出せます。
この記事では、Adobe Fireflyの生成クレジットについて、付与数から更新タイミング、効率的な使い方まで詳しく解説します。契約プランによって異なるクレジット数や、クレジットの確認方法、追加購入の手順なども紹介するので、Fireflyを使う際の参考にしてください。
Adobe Fireflyの生成クレジットとは
Adobe Fireflyをはじめとする生成AI機能を使うときに必要になるのが「生成クレジット」です。これは、AIによる画像生成や編集機能を利用するたびに消費されるポイントのようなものです。
生成クレジットの基本的な仕組み
生成クレジットは、Adobe Fireflyの各機能を使用するたびに消費されます。例えば、テキストから画像を生成したり、画像の一部を生成AIで塗りつぶしたりするたびに、一定数のクレジットが減っていきます。
クレジットは毎月一定数が付与され、月末になると使い切れなかった分はリセットされます。つまり、余ったクレジットを翌月に持ち越すことはできないので、計画的に使うことが大切です。
1回の生成で消費されるクレジット数
基本的な画像生成機能では、1回の操作につき1クレジットが消費されます。「生成」ボタンを押すたびにカウントされるイメージです。例えば、テキストから画像生成で複数のバリエーションが表示されても、それは1回の生成としてカウントされます。
ただし、動画生成や高解像度の画像生成など、より複雑な処理が必要な機能では、1回の操作でより多くのクレジットが消費されることがあります。例えば、1080pの動画生成では100クレジットも消費するので注意が必要です。
クレジットが必要な機能と不要な機能
Adobe Fireflyの機能の中には、クレジットを消費するものと消費しないものがあります。
クレジットを消費する主な機能は以下の通りです：
- テキストから画像生成
- 生成塗りつぶし
- 生成拡張
- 生成再配色
- テキスト効果
- 動画生成
- 音声・動画翻訳
一方、生成されたコンテンツの閲覧や保存、共有などの機能はクレジットを消費しません。また、ベータ版として提供されている一部の機能は、期間限定でクレジットを消費せずに利用できることもあります。
プラン別の生成クレジット付与数
Adobe Fireflyの生成クレジットは、契約しているプランによって付与数が異なります。より高額なプランほど多くのクレジットが付与される傾向にあります。
| プラン | 付与クレジット数 |
|---|---|
| Adobe Firefly 無料版 | 25/月 |
| Adobe Firefly Standard | 2,000/月 |
| Adobe Firefly Pro | 7,000/月 |
| Adobe Firefly Premium | 50,000/月 |
| Creative Cloud コンプリートプラン | 1,000/月 |
| Creative Cloud 単体プラン（主要ソフト） | 500/月 |
| Adobe Express Premium | 250/月 |
| その他の単体プラン | 25〜100/月 |
無料版でも毎月25クレジットが付与されますが、本格的に使うには少し物足りないかもしれません。一方、Creative Cloudのコンプリートプランなら毎月1,000クレジットが使えるので、かなり余裕を持って生成AI機能を活用できます。
Illustratorや Photoshopなどの主要ソフトの単体プランでは500クレジット、Adobe Express Premiumでは250クレジットが付与されます。その他、LightroomやInCopyなどの単体プランでは、25〜100クレジット程度が付与されます。
複数のプランを契約している場合は、それぞれのプランのクレジット数が合算されます。例えば、PhotoshopとIllustratorの単体プランを両方契約していれば、合計1,000クレジットが利用可能になります。
生成クレジットの更新タイミング
生成クレジットは毎月自動的に更新されますが、そのタイミングはユーザーによって異なります。いつクレジットがリセットされるのかを把握しておくことで、効率的に利用することができます。
有料プランのクレジット更新日
有料プランを契約している場合、生成クレジットは契約の請求日に合わせて更新されます。例えば、月の15日にプランを契約した場合、クレジットは毎月15日にリセットされて新しいクレジットが付与されます。
この仕組みにより、契約者ごとに更新日が異なるため、自分のクレジット更新日を把握しておくことが重要です。更新日が近づいたら、余っているクレジットを使い切るよう計画を立てると良いでしょう。
無料プランのクレジット更新の仕組み
無料プランの場合は少し仕組みが異なります。無料ユーザーには、Fireflyの技術を利用した機能を初めて使用した日に生成クレジットが割り当てられます。
例えば、月の10日に初めてFireflyのウェブアプリにログインして「テキストから画像生成」を使用した場合、その時点で25クレジットが付与され、翌月の10日までそのクレジットを使うことができます。
次の月では、再びFireflyの機能を初めて使用した日に新しいクレジットが割り当てられます。例えば、2か月目に月の15日に初めて使用した場合、その日から翌月の15日までが新しいクレジットの有効期間となります。
未使用クレジットは繰り越せない理由
生成クレジットは、使い切れなかった分を翌月に繰り越すことはできません。これは、Adobeが各ユーザーに毎月一定量の生成AI機能の利用を保証しつつ、サーバーリソースの使用量をコントロールするための仕組みです。
クレジットが繰り越せないことで、ユーザーは毎月新鮮な気持ちで生成AI機能を活用することができます。また、使い切れなかったクレジットがあれば、月末に思い切って新しい表現や技法を試してみるなど、クリエイティブな挑戦をする良い機会になります。
生成クレジットの消費量と機能別の違い
Adobe Fireflyの各機能によって、消費されるクレジット数は異なります。基本的な画像生成機能では1クレジットですが、動画や高解像度コンテンツの生成ではより多くのクレジットが必要です。
| AI機能 | 消費クレジット数 |
|---|---|
| テキストから画像生成 | 1クレジット |
| 生成塗りつぶし | 1クレジット |
| 生成拡張 | 1クレジット |
| 生成再配色 | 1クレジット |
| テキスト効果 | 1クレジット |
| 動画生成（540p） | 20クレジット |
| 動画生成（1080p） | 100クレジット |
| 音声・動画翻訳 | 5〜10クレジット |
テキストから画像を生成する基本機能では、1回の生成につき1クレジットが消費されます。同様に、生成塗りつぶしや生成拡張、生成再配色、テキスト効果なども1クレジットで利用できます。
一方、動画生成機能は解像度によって消費クレジット数が大きく異なります。540pの低解像度動画でも20クレジット、1080pの高解像度動画では100クレジットも消費します。長時間の動画制作を行う場合は、クレジットの消費量に注意が必要です。
また、音声や動画の翻訳機能では、5〜10クレジットが消費されます。特に、翻訳とリップシンク（口の動きを合わせる）機能を併用すると、10クレジットが必要になります。
これらの消費量を把握しておくことで、限られたクレジットを効率的に使うことができます。特に、クレジット数の少ない無料プランや単体プランのユーザーは、どの機能に優先的にクレジットを使うか、事前に計画を立てておくと良いでしょう。
クレジットの確認方法
生成クレジットの残数を確認することは、計画的に機能を利用するために重要です。Adobe Fireflyでは、いくつかの方法でクレジット残数を確認することができます。
アカウント管理ページでの確認手順
Adobe Fireflyのクレジット残数を確認する最も基本的な方法は、Adobeのアカウント管理ページを利用することです。具体的な手順は以下の通りです。
まず、Adobeの公式サイトにアクセスし、自分のAdobe IDでログインします。ログイン後、画面右上にあるプロフィールアイコンをクリックすると、メニューが表示されます。
このメニュー内に「生成クレジット残量」という項目があり、ここで現在の残りクレジット数を確認できます。また、クレジットの次回更新日も表示されるので、いつクレジットがリセットされるのかを把握することができます。
アプリ内での残りクレジット表示
Adobe FireflyのウェブアプリやPhotoshopなどのCreative Cloudアプリ内でも、クレジット残数を確認することができます。
Fireflyのウェブアプリでは、画面右上にあるユーザーアイコンをクリックすると、アカウント情報とともに「生成クレジット残り：」という表示が出てきます。ここで現在のクレジット残数を確認できます。
同様に、PhotoshopやIllustratorなどのCreative Cloudアプリでも、生成AI機能を利用する際に、現在のクレジット残数が表示されます。これにより、作業中にリアルタイムでクレジットの消費状況を把握することができます。
次回更新日の確認方法
クレジットの残数だけでなく、次回の更新日を確認することも重要です。更新日が近づいているのに多くのクレジットが残っている場合は、積極的に使い切るよう計画を立てることができます。
次回更新日は、Adobeのアカウント管理ページで確認できます。プロフィールアイコンをクリックして表示されるメニューの中に、「次回更新日：」という項目があります。ここで、いつクレジットがリセットされて新しいクレジットが付与されるのかを確認できます。
また、Fireflyのウェブアプリでも、ユーザーアイコンをクリックすると表示される情報の中に、次回更新日が含まれていることがあります。定期的に確認して、クレジットを無駄なく使い切るようにしましょう。
クレジットが足りなくなったときの対処法
生成AI機能を頻繁に使用していると、月の途中でクレジットが足りなくなることがあります。そんなときのために、いくつかの対処法を知っておくと便利です。
追加クレジットの購入方法
クレジットが足りなくなった場合、追加でクレジットを購入することができます。追加クレジットの購入は、Adobeのアカウント管理ページから行います。
具体的な手順としては、Adobeの公式サイトにログイン後、アカウント管理ページに進みます。「プランと製品」のセクションから「生成クレジットの追加購入」を選択し、必要なクレジット数を選んで購入手続きを行います。
ただし、無料プランのユーザーは追加クレジットを購入することができません。クレジットが足りなくなった場合は、有料プランへのアップグレードを検討する必要があります。
追加クレジットの価格と有効期限
以前は100クレジット単位での追加購入が可能でしたが、現在はFireflyの追加プランに加入する形式に変更されています。
| プラン | 追加クレジット数 | 価格（税込） | 1クレジットあたりの単価 |
|---|---|---|---|
| Firefly Standard | 2,000/月 | 1,580円/月 | 0.79円 |
| Firefly Pro | 7,000/月 | 4,780円/月 | 0.68円 |
| Firefly Premium | 50,000/月 | 31,680円/月 | 0.63円 |
例えば、月に9,000クレジットが必要な場合は、「Firefly Standard」と「Firefly Pro」の2つのプランに加入することで、合計9,000クレジットを確保できます。
購入した追加クレジットは、通常のクレジットと同様に1か月間有効です。つまり、購入した月内に使い切る必要があり、使い残したクレジットは翌月に繰り越されません。そのため、必要なクレジット数をあらかじめ見積もり、無駄が出ないように注意しましょう。
プラン変更でクレジット数を増やす方法
一時的にクレジットを追加するだけでなく、恒常的にクレジット数を増やしたい場合は、プラン変更を検討するのも一つの方法です。
例えば、Adobe Express Premiumから Creative Cloud単体プランに変更すれば、月間クレジット数が250から500に増えます。さらに、単体プランからコンプリートプランに変更すれば、1,000クレジットまで増やすことができます。
プラン変更は、Adobeのアカウント管理ページから行うことができます。「プランと製品」のセクションから現在のプランを選択し、「プランを変更」を選ぶと、利用可能なプランの一覧が表示されます。
プラン変更を検討する際は、単にクレジット数だけでなく、利用できるソフトやサービスの範囲も考慮して判断すると良いでしょう。
複数プラン契約時のクレジット計算
Adobe Fireflyのクレジットは、複数のプランを契約している場合に合算されるという特徴があります。これを理解することで、より効率的にクレジットを活用することができます。
複数プランのクレジット合算の仕組み
複数のAdobeプランを契約している場合、各プランに付与されるクレジット数は自動的に合算されます。例えば、Photoshopの単体プラン（500クレジット）とIllustratorの単体プラン（500クレジット）を両方契約していれば、合計1,000クレジットが利用可能になります。
この合算されたクレジットは、どのアプリでも共通して使用することができます。つまり、Photoshopで生成AI機能を使っても、Illustratorで使っても、同じクレジットプールから消費されます。
ただし、クレジットの更新日は各プランの請求日に基づいて個別に行われます。例えば、Photoshopを月の10日に契約し、Illustratorを月の20日に契約した場合、Photoshopの500クレジットは毎月10日に、Illustratorの500クレジットは毎月20日に更新されます。
おすすめの組み合わせプラン
効率的にクレジットを確保するためには、どのプランを組み合わせるのが良いでしょうか。以下に、いくつかのおすすめの組み合わせを紹介します。
Creative Cloudのコンプリートプランは、それだけで1,000クレジットが付与されるため、基本的な使用量であれば十分でしょう。さらに多くのクレジットが必要な場合は、Firefly Standardプラン（2,000クレジット）を追加することで、合計3,000クレジットを確保できます。
また、特定のソフトだけを使いたい場合は、主要ソフトの単体プラン（500クレジット）とFirefly Standardプラン（2,000クレジット）の組み合わせも効率的です。合計2,500クレジットで、一般的な使用量をカバーできるでしょう。
プロフェッショナルな用途で大量のクレジットが必要な場合は、Creative Cloudのコンプリートプラン（1,000クレジット）とFirefly Proプラン（7,000クレジット）の組み合わせがおすすめです。合計8,000クレジットあれば、動画生成なども含めた幅広い用途に対応できます。
クレジットを効率的に使うコツ
限られた生成クレジットを最大限に活用するためには、いくつかのコツを知っておくと便利です。効率的な使い方を身につけることで、より多くのクリエイティブな作品を生み出すことができます。
生成AIの使い分け方
Adobe Fireflyの各機能によって消費されるクレジット数は異なります。基本的な画像生成は1クレジットですが、動画生成は20〜100クレジットと大きく異なります。
効率的に使うためには、クレジットを多く消費する機能は本当に必要なときだけ使うようにしましょう。例えば、試作段階では低解像度の動画生成（20クレジット）を使い、最終版だけ高解像度（100クレジット）で生成するといった工夫ができます。
また、同じような効果を得られる機能の中では、クレジット消費の少ない方を選ぶことも大切です。例えば、画像の一部を修正する場合、生成塗りつぶし（1クレジット）を使うか、画像全体を再生成するか（1クレジット）で、結果の品質に大きな差がなければ、作業効率の良い方を選びましょう。
重要な作業に優先的にクレジットを使う
限られたクレジットを効果的に使うためには、優先順位をつけることが重要です。商業プロジェクトや締め切りの迫った作業には優先的にクレジットを割り当て、実験的な試みや個人的なプロジェクトは余裕があるときに行うようにしましょう。
また、生成AIを使わなくても従来の方法で十分に対応できる作業には、あえてクレジットを使わないという選択も大切です。例えば、単純な色調補正や簡単なレタッチなら、従来のPhotoshopのツールでも十分に対応できるでしょう。
さらに、似たような生成を繰り返し行う場合は、最初に生成した結果を保存しておき、再利用することでクレジットを節約できます。例えば、よく使うテクスチャやパターンは一度生成したものをライブラリに保存しておくと便利です。
リセット日前のクレジット活用法
クレジットは翌月に繰り越せないため、リセット日が近づいてきたら、残っているクレジットを無駄にしないように使い切ることが大切です。例えば、普段は控えている高解像度の画像生成や動画生成を試してみるのも良いでしょう。こうした機会に新しい表現や技術を試すことで、クリエイティブの幅が広がります。
また、リセット日前にクレジットを使い切るための計画を立てることもおすすめです。作業の優先順位を見直し、重要なプロジェクトにクレジットを集中させることで、効率的に利用できます。さらに、複数のプランを契約している場合は、それぞれのクレジット更新日を把握し、リセット日ごとに使い切る工夫をすると良いでしょう。
まとめ：Adobe Firefly クレジットの上手な使い方
Adobe Fireflyの生成クレジットは、使い方次第でクリエイティブの可能性を大きく広げます。プランごとに付与されるクレジット数や更新タイミングを理解し、計画的に使うことが重要です。クレジットの消費量を把握し、必要な機能に優先的に割り当てることで、効率的な利用が可能になります。
また、クレジットが足りなくなった場合は、追加購入やプラン変更を検討しましょう。複数プランの契約によるクレジット合算も活用し、無駄なく使い切る工夫が求められます。リセット日前のクレジット活用法を実践し、毎月のクレジットを最大限に活かしてください。
これらのポイントを押さえれば、Adobe Fireflyの生成AI機能をより快適に、そして効果的に利用できるでしょう。
