ChatGPTを使っていて「指定した文字数通りに文章を生成してくれない」と困ったことはありませんか？
せっかく文字数を指定したのに、多すぎたり少なすぎたりすることがよくあります。
この記事では、ChatGPTに文字数指定を守らせるための具体的な方法を紹介します。
ChatGPTが文字数指定を守らない理由
ChatGPTが文字数指定を守らないのには、いくつかの理由があります。まず、AIは生成する文の長さを予測することが難しいのです。人間なら「このくらいの内容なら300字くらいかな」と感覚的に把握できますが、AIにはそのような感覚がありません。
ChatGPTの文字数カウント機能の限界
ChatGPTは文字数ではなく「トークン」という単位で文章を処理しています。トークンとは、単語や文字の一部を細かく分割したもので、日本語の場合は1文字が1〜3トークンに相当します。例えば「こんにちは」という言葉は複数のトークンとして認識されるため、私たちが考える文字数とChatGPTが処理するトークン数にはズレが生じてしまうのです。
日本語と英語での文字数カウントの違い
日本語と英語では、同じ内容を表現する場合でもトークン数が大きく異なります。例えば「私は猫が好きです」という文章は日本語では10文字ですが、英語では「I like cats」と3単語で表現できます。日本語は漢字やひらがなが1文字あたり複数のトークンを消費するため、英語と比べて同じ内容でもトークン数が多くなる傾向があります。
AIモデルの特性による制約
ChatGPTは文章の自然さや論理的一貫性を保つことを優先するため、指定された文字数よりも内容の質を重視する傾向があります。そのため、文字数制限を厳密に守ろうとすると、文章の質が低下する可能性があるのです。
文字数指定を守らせるための基本テクニック
ChatGPTに文字数指定を守らせるには、いくつかの基本的なテクニックがあります。これらを活用することで、より精度の高い文字数指定が可能になります。
明確な指示の出し方
まず大切なのは、明確な指示を出すことです。「だいたい300字くらいで」といった曖昧な表現ではなく、「300字以内で」や「280〜320字の間で」というように具体的な数値を示しましょう。また、文字数の指定を文頭に置くと効果的です。例えば「以下の内容を300字以内でまとめてください」というように、最初に文字数制限を明示することで、AIが文章生成の過程で文字数を意識しやすくなります。
文字数の上限と下限を設定する
文字数の上限だけでなく下限も設定することで、より精度の高い文字数指定が可能になります。例えば「400〜500字の間で書いてください」というように範囲を指定すると、ChatGPTはその範囲内に収まるよう調整しやすくなります。上限と下限の差は、あまり狭すぎると達成が難しくなるため、10〜20%程度の幅を持たせるとよいでしょう。
自己チェック機能を持たせる方法
ChatGPTに自己チェック機能を持たせることで、文字数指定の精度を高めることができます。具体的には「出力する前に文字数をカウントし、指定範囲内に収まっていることを確認してください」という指示を加えます。これにより、ChatGPTは生成した文章の文字数を自ら確認し、必要に応じて調整するようになります。
効果的なプロンプトの例
以下は、文字数指定を守らせるための効果的なプロンプトの例です。このプロンプトをコピーして使用することで、より正確な文字数の文章を生成できるようになります。
以下の #手順 を忠実に守って、#テーマ に関する文章を500字～600字で作成してください。
#テーマ：【ここに生成する文章のテーマを入力してください】
#手順：
・出力する前に、何文字になったかをカウントしてください。
・カウントした結果、#文字数 の条件を満たしていることが確認できた場合に限ってタスクを終了してください。
・カウントした結果、#文字数 の条件を満たしていない場合は、#文字数 の条件を満たせるまで文字を追加したり削除して処理を繰り返してください。
＃文字数
・下限：【文字数を入力してください】字
・上限：【文字数を入力してください】字このプロンプトの特徴は、ChatGPTに自己チェック機能を持たせている点です。文章を生成した後、自ら文字数をカウントして条件を満たしているか確認し、満たしていない場合は調整するよう指示しています。これにより、高い精度で文字数指定を守ることができます。
文章生成と文字数指定
文章を新規に作成する場合と、既存の文章を要約する場合では、文字数指定の方法が少し異なります。ここでは、文章生成時の文字数指定について詳しく見ていきましょう。
新規文章作成時の文字数指定方法
新規文章を作成する際は、テーマと文字数の両方を明確に指定することが重要です。例えば「AIの将来について500字程度で解説してください」というよりも、「AIの将来について、特に家庭での活用に焦点を当てて、480〜520字で解説してください」というように具体的に指示すると、より精度の高い文字数で生成されやすくなります。
文章の長さによる精度の違い
文章の長さによって、文字数指定の精度は変わってきます。一般的に、短い文章（500字程度まで）であれば比較的高い精度で文字数を守ることができますが、長文（2000字以上）になると難しくなる傾向があります。これは、長文になるほど内容の調整が複雑になるためです。長文の場合は、複数のセクションに分けて指示を出すと効果的です。
2000文字以上の長文作成時の注意点
2000文字以上の長文を作成する場合は、一度に全文を生成するのではなく、セクションごとに分けて生成することをおすすめします。例えば「第1章は500字、第2章は700字、第3章は800字で作成してください」というように、章ごとに文字数を指定すると管理しやすくなります。また、長文の場合は無料版よりも有料版（ChatGPT Plus）の方が処理能力が高いため、より正確な文字数で生成できる可能性が高まります。
要約と文字数指定
既存の文章を要約する場合も、文字数指定を守らせるためのテクニックがあります。ここでは、要約時の文字数指定について詳しく見ていきましょう。
要約時に文字数を守らせるプロンプト
要約時に文字数を守らせるためのプロンプトの例を以下に示します。
以下の #手順 を忠実に守って、#入力文 の要約を #文字数 の条件を満たして作成してください。
#手順：
・出力する前に、何文字になったかをカウントしてください。
・カウントした結果、#文字数 の条件を満たしていることが確認できた場合に限ってタスクを終了してください。
・カウントした結果、#文字数 の条件を満たしていない場合は、#文字数 の条件を満たせるまで文字を追加したり削除して処理を繰り返してください。
＃文字数：
・下限：【文字数を入力してください】字
・上限：【文字数を入力してください】字
#入力文：【ここに要約したい文章を入力/貼り付けてください】このプロンプトも、新規文章作成時と同様に自己チェック機能を持たせることで、より精度の高い文字数指定が可能になります。
長文要約の精度を高める工夫
長い文章を要約する場合、ChatGPTが重要なポイントを見極めて適切に要約するのは難しい場合があります。そこで、「特に〇〇の観点から要約してください」や「〇〇に焦点を当てて要約してください」というように、要約の観点を指定すると効果的です。これにより、ChatGPTは重要なポイントを把握しやすくなり、指定された文字数内で質の高い要約を生成できるようになります。
要約の質と文字数のバランス
要約の質と文字数のバランスを取ることも重要です。文字数を厳しく制限しすぎると、重要な情報が欠落する可能性があります。逆に、文字数の制限が緩すぎると、要約としての価値が低下します。適切なバランスを見つけるためには、まず長めの要約を作成し、その後徐々に短くしていくアプローチが効果的です。例えば「まず1000字程度で要約し、その後500字程度に短縮してください」というように段階的に指示を出すと、質の高い要約が得られやすくなります。
文字数指定が守られない時の対処法
ChatGPTが文字数指定を守らない場合の対処法についても見ていきましょう。
複数回に分けて指示を出す
一度の指示で思うような結果が得られない場合は、複数回に分けて指示を出す方法が効果的です。例えば、最初に「AIについて説明してください」と質問し、その回答に対して「今の回答を300字程度に要約してください」と追加で指示を出すといった方法です。このように段階的に指示を出すことで、より精度の高い文字数調整が可能になります。
観点や構成を具体的に指定する
文字数だけでなく、観点や構成も具体的に指定することで、ChatGPTは文章の長さをコントロールしやすくなります。例えば「AIの歴史、現状、将来の3つの観点から、各200字程度、合計600字程度で説明してください」というように、構成と各パートの文字数を明示することで、より精度の高い文字数指定が可能になります。
出力された文章の編集・加工方法
ChatGPTが生成した文章が指定文字数と大きく異なる場合は、追加の指示で調整を求めることができます。例えば「今の回答は800字ありますが、500字程度に短縮してください。特に〇〇の部分を中心に短縮してください」というように具体的に指示すると効果的です。また、「重要なポイントはそのままに、例示や補足説明を減らして短縮してください」といった指示も有効です。
文字数制限を回避するテクニック
ChatGPTには文字数制限がありますが、それを回避するためのテクニックもあります。以下の表は、主な回避方法とそのメリット・デメリットをまとめたものです。
| 回避方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 複数回に分けて入力する | 長文も処理可能 | 手間がかかる |
| 英語で入出力する | 文字数制限が緩和される | 翻訳が必要 |
| API経由で利用する | より多くの文字を扱える | 技術的知識が必要 |
| 文章を分割して処理する | 確実に処理できる | 文脈の一貫性が失われる可能性あり |
これらの方法を状況に応じて使い分けることで、ChatGPTの文字数制限を効果的に回避することができます。
モデル別の文字数制限の違い
ChatGPTのモデルによって、扱える文字数の上限は異なります。ここでは、主なモデルの文字数制限について見ていきましょう。
GPT-3.5と文字数制限
GPT-3.5（無料版で主に使用されるモデル）では、入力できる文字数は約6,000文字、出力できる文字数は約4,000文字程度とされています。ただし、これはあくまで目安であり、実際には使用する言語や文章の複雑さによって変動します。日本語の場合、漢字やひらがなが多いとトークン数が増えるため、英語よりも少ない文字数しか扱えない傾向があります。
GPT-4での文字数制限の変化
GPT-4（有料版で使用可能なモデル）では、GPT-3.5と比べて扱える文字数が大幅に増加しています。入力できる文字数は約22,000文字、出力できる文字数も約8,000文字程度とされています。これにより、より長い文章の処理や、複雑な指示の実行が可能になっています。
無料版と有料版の違い
無料版と有料版（ChatGPT Plus）では、使用できるモデルや文字数制限に大きな違いがあります。以下の表は、無料版と有料版の主な違いをまとめたものです。
| 項目 | 無料版 | 有料版（ChatGPT Plus） |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 月額20ドル（約3,000円） |
| 使用モデル | GPT-3.5、GPT-4o mini | GPT-4、GPT-4o、o1など |
| 入力文字数上限（日本語） | 約6,000文字 | 約22,000文字 |
| 出力文字数上限（日本語） | 約4,000文字 | 約8,000文字 |
| 利用制限 | あり（混雑時は利用制限あり） | なし（優先アクセス） |
有料版では、より高性能なモデルを使用できるだけでなく、文字数制限も緩和されているため、長文の処理や複雑な指示の実行に適しています。特に、文字数指定を厳密に守りたい場合や、長文の要約・生成を行いたい場合は、有料版の利用を検討する価値があるでしょう。
文字数よりも内容を重視する考え方
文字数指定は重要ですが、それ以上に内容の質を重視する考え方も大切です。ここでは、文字数にとらわれすぎない効果的な活用法について見ていきましょう。
タスクに合わせた要点の絞り方
文字数を厳密に守ることよりも、タスクの目的に合わせて要点を絞ることが重要です。例えば、プレゼンテーションの原稿を作成する場合は、話す時間に合わせた文字数ではなく、伝えるべき重要なポイントを明確にすることを優先しましょう。ChatGPTに「5分間のプレゼンテーションで伝えるべき3つの重要なポイントを挙げてください」というように指示すると、文字数よりも内容の質を重視した回答が得られます。
ステップバイステップでの文章生成
長い文章を一度に生成するのではなく、ステップバイステップで生成する方法も効果的です。例えば、まずアウトラインを作成し、次に各セクションの内容を詳細化していくといったアプローチです。「AIの歴史についてのアウトラインを作成してください」「次に、第1章の内容を500字程度で詳細に説明してください」というように段階的に指示を出すことで、文字数を管理しやすくなります。
他ツールとの組み合わせ活用法
ChatGPTだけでなく、他のツールと組み合わせることで、より効果的に文章を作成・編集することができます。例えば、ChatGPTで文章の骨子を作成し、Microsoft Wordなどのワープロソフトで文字数をカウントしながら編集するといった方法です。また、Grammarly（文法チェックツール）やHemingway Editor（読みやすさチェックツール）などと組み合わせることで、文字数だけでなく文章の質も向上させることができます。
まとめ
ChatGPTが文字数指定を守らないのは確かに不便ですが、適切なプロンプトの設計と工夫次第で、かなり精度よく指定した文字数の文章を生成させることができます。特に「自己チェック機能」を持たせるプロンプトが効果的です。文字数が多い場合は複数回に分けるなど、状況に応じた対応を取りましょう。最終的には、AIの出力を自分で編集・調整する心構えも大切です。
